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思考するマルセル・デュシャン

篠原 有司男

1965

東京オリンピック開催の年、アメリカ現代美術の巨匠ラウシェンバーグが来日した。当時32歳の篠原有司男は公開質問会に駆けつけ、自作のハリボテ人形《マルセル・デュシャン像》を堂々と舞台に登場させた。その後、この人形はドブ川に流されてしまったというが、そのイメージは、「青写真」とも言うべき本作品が見事に伝えている。左手にはダダの元祖デュシャンの肖像、右手にはアメリカの消費文化の象徴ともいうべきコカ・コーラ。巨大な身体は全長約2メートルもあり、頭部はモーターで回転する仕掛けらしい。
篠原は、既成の芸術に反旗を翻し常に新しい表現を追求した前衛グループ<ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ>の主要メンバーであり、頭をモヒカン刈りにしてマスコミに登場するといった奇抜な行動で世間を騒がせる新しいタイプの芸術家であった。この像は、変化し続けることを信条としていたデュシャンに対する篠原の熱きオマージュであると同時に、日本のヒーローから世界の巨匠ラウシェンバーグに対する挑戦状でもあったのである。

作家プロフィール

篠原 有司男 SHINOHARA Ushio

1932-

作品情報

ジャンル絵画
材質・技法油彩/カンヴァス
寸法160×120cm
受入年度1983
受入区分購入
作品/資料番号1975-00-0234-000
TitleMarcel Duchamp Thinking
GenrePaintings
Material/techniqueOil on canvas
Dimensions160×120cm
Acquisition date1983
Accession number1975-00-0234-000

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