1966
万華鏡のようなきらめきの中で、二つの眼をこちらに向ける怪物が大地の上で蠢いている。まるで太古からの長い年月を吸い込んだかのような皮膚は収斂し、その形態と輪郭を捉えどころのないものにしている。《EIDOLON》とは幻影、そして理想をも意味する英語。ロンドン生まれの英文学への造詣から選ばれたこの題名は、作家のヴィジョンをあらわしているかのようだ。
漆原は、1950年代に美術批評家、瀧口修造が企画したタケミヤ画廊でデビューし、ここを舞台に活動を展開した。「既成画壇への依存を放下し」「個展発表を第一義とする作家」の活躍を希求した瀧口の活動が示すように、50年代とは美術団体や革新的なグループからは独立して制作発表することが可能となった時代であり、特定の流派に限定されることのないこの画面にも、その独自の態度があらわれている。
1929-2002
ジャンル | 絵画 |
---|---|
材質・技法 | 油彩/カンヴァス |
寸法 | 73×90.9cm |
受入年度 | 1991 |
受入区分 | 購入 |
作品/資料番号 | 1991-00-0025-000 |
Title | Eidolon |
---|---|
Genre | Paintings |
Material/technique | Oil on canvas |
Dimensions | 73×90.9cm |
Acquisition date | 1991 |
Accession number | 1991-00-0025-000 |