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Futako Tamagawaen #3

マコト・フジムラ

1990

アメリカに生まれた日系2世であるマコト・フジムラは、東京芸術大学大学院留学時に日本画材と出会った。来日後キリスト教信者となり、その信仰を深めた場所を描いたのが「Futako Tamagawaen」のシリーズである。そのうちのひとつである本作品は、画面中央にゆったりと流れる多摩川と遠景に赤い橋が描かれている。模糊とした絵具の重なりの中から立ち表れる風景は、画家の謙虔な心を反映する。画家が心の底から希求する象徴性が、画面に静かな緊張感を与えているのである。同時に、出会ったばかりの画材を扱うことへの模索も見て取れるだろう。日本画材の場合、これほど色を重ねたり混ぜたりすることはほとんどしない。混色は、色の濁りをおこすからであるあえてそれを行い、色と色との重なりの中に風景を生成してゆくやり方は、まさに彼だからこそできたと言えよう。とらわれるところなく自らの心の有り様を描いたことで、日本画の新しい可能性を開いたのである。(H.K.)

作家プロフィール

マコト・フジムラ FUJIMURA Makoto

1960-

作品情報

ジャンル絵画
材質・技法岩絵具/和紙
寸法180×270cm
受入年度1992
受入区分購入
作品/資料番号1992-00-0055-000
TitleFutako Tamagawaen #3
GenrePaintings
Material/techniqueMineral pigment on Japanese paper
Dimensions180×270cm
Acquisition date1992
Accession number1992-00-0055-000

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