コレクション検索

詳細検索

作品

吉原 治良

1962

前衛芸術団体〈具体美術協会〉の指導者であり、また自ら画家でもあった吉原は、シュルレアリスム、抽象、アンフォルメルという画風の変遷を経て、最後に「円」というモチーフに到達した。「このところ円ばかり描いている。便利だからである」という言葉通り、晩年10年間は、この極めて簡潔で根源的な形態を繰り返し描いた。1962年の「グタイピナコテカ」開館記念展に出品された本作品は、後にそのシンボルマークに採用された記念すべき一点であり、その後続く《円のシリーズ》の開始を告げるものである。書道の一筆で描かれたようなモノクロームの画面は、自己完結したかのような静謐な雰囲気を湛えているように見えるが、実は画家の試行錯誤を証言するかのような複雑なタッチとマティエールで構成され、画面には厳しい緊張感が漲っている。シリーズは回を重ねるごとに、整然とした幾何学的形態へと変容していく。「たったーつの円さえ満足にかけない」という妥協を許さない姿勢により、「円」のシリーズは亡くなる直前まで続けられた。(C.M.)

作家プロフィール

吉原 治良 YOSHIHARA Jiro

1905-1972

作品情報

ジャンル絵画
材質・技法油彩/カンヴァス
寸法182×272cm
受入年度1981
受入区分購入
作品/資料番号1975-00-0554-000
キーワード1981 「現代美術の動向I 1950年代―その暗黒と光芒」東京都美術館
TitleUntitled
GenrePaintings
Material/techniqueOil on canvas
Dimensions182×272cm
Acquisition date1981
Accession number1975-00-0554-000
Keyword1981 「現代美術の動向I 1950年代―その暗黒と光芒」東京都美術館

関連所蔵作品

吉原 治良の作品

詳しく見る

同じ制作年の作品

詳しく見る