2024年08月03日(土)- 2024年11月10日(日)
開発好明(1966年山梨県生まれ、山梨県拠点)は、キャリアの最初期となる1990年代より、生活や社会現象など身の回りの出来事への関心を起点に、コミュニケーションを内包し、また誘発する表現活動を継続してきた作家である。パフォーマンス、絵画、インスタレーション、写真など多岐にわたる形態の作品発表に加え、各地で行うワークショップやプロジェクトなどを通じて、美術業界や日常におけるヒエラルキーを水平化し、分断をつなぐことを試みてきた。社会構造や制度、共同体、出来事への個人的な介入という身振りは、開発の実践の大きな特徴のひとつであり、その姿を、開発の長年の理解者であった故・池田修(元BankART代表)は「ひとり民主主義者」と形容した。その個人的な身振りが周囲に伝播し、多くの人を巻き込むプロジェクトとして展開することもしばしばであ る。 こうした開発の膨大かつ多彩な表現・実践は、美術館での収蔵や展示を前提としないものも多く、その経歴を俯瞰する機会は、30年以上に及ぶキャリアの中でも限られてきた。本展では、日々の出来事や社会の変化に生身で向き合ってきた開発の作品・プロジェクトから、ライフワーク、発泡の作品、東北でのプロジェクトなど、およそ8つのテーマのもとに緩やかなグルーピングを行い、59点を紹介した。その中には、来場者が出したハガキが約1年後に届く《未来郵便局》や、100人の先生が100の授業を行う《100人先生》なども含まれる。また、会期中は作家によるパフォーマンスがほぼ毎日実施され、あわせて、展示室内で来場者の参加型作品の体験をサポートするボランティアの「ウェルカムサポーター」が活躍した。作家・来場者・協力者が共創する場が実現することで、ホワイトキューブにおける新たな可能性が拓かれた。なお、作家は令和6年度(第75回)芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。
| 展覧会名 | 開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ |
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| 会場 | 東京都現代美術館 |
| 主催等 | 東京都現代美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団) |