1961/1983
菊畑茂久馬が前衛美術の集団、九州派の一員として活動していた頃の作品。作者にとっても、また日本の現代美術にとってもその表現の特異さにおいて1960年前後の反芸術的傾向を代表する1点となっている。陰陽のシンボルを持つ2本の丸太が御神体のように置かれ、その片方には5円硬貨が竜のウロコのようにびっしりと打ちつけられている。スポットライトに照らされると2本の丸太は黄金のように輝き、ろうそくが儀式的な雰囲気を盛り上げる。この作品はもともと1961年に国立近代美術館の「現代美術の実験展」に出品されたものである。展覧会終了後、作者が5円玉を数え直してみると元の10万円分以上あり、10円玉の「お寒銭」も混じっていたという。古くからの日本人の習俗をあえて現代美術のモティーフとし、東京で展示するための作品として生まれた≪奴隷系図≫は、オリンピックに向け高度成長の道を走り始めた日本が忘れようとする反近代的世界への鎮魂歌と考えられる。なお、現在の作品は東京都美術館での「1960年代展」出品のために再制作されたもの。
1935-2020
| ジャンル | 彫刻・インスタレーションほか |
|---|---|
| 材質・技法 | 布、5円硬貨、蝋燭、木ほか |
| 寸法 | 120×198×630cm |
| 受入年度 | 1983 |
| 受入区分 | 購入 |
| 作品/資料番号 | 1975-00-4035-000 |
| Title | Slave Genealogy (coin) |
|---|---|
| Genre | Sculptures,installations |
| Material/technique | Cloth, five yen coins, candles, logs, etc. |
| Dimensions | 120×198×630cm |
| Acquisition date | 1983 |
| Accession number | 1975-00-4035-000 |
| 開催年 | 展覧会名 | 開催場所 | 開催期間 |
|---|---|---|---|
| 1983 | 現代美術の動向II 1960年代 多様化への出発 | 東京都美術館 | 1983.10.22-12.18 |
| 1985 | 新館開館10周年記念 現代美術の40年 | 東京都美術館 | 1985.10.12-12.8 |
| 1991 | 芸術と日常-反芸術/汎芸術 | 国立国際美術館 | 1991.10.10-12.1 |
| 1993 | 再制作と引用 | 板橋区立美術館 | 1993.9.18-10.24 |
| 1995-96 | 常設展 現代美術の流れ | 東京都現代美術館 | 1995.3.19-5.7/1995.5.9-7.2/1995.7.8-8.27/1995.8.29-10.22/1995.10.28-1996.1.21/1996.1.23-3.3 |
| 1997 | 日本の夏-1960-64 こうなったらやけくそだ! | 水戸芸術館現代美術センター | 1997.8.2-9.28 |
| 1999-2000 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 1999.6.26-9.12/1999.9.14-11.28/1990.11.30-2000.2.13/2000.2.26-5.28 |
| 2001 | 現代美術への招待〈日本の前衛・60年代〉 | 鳥取県立博物館 | 2001.10.2-11.2 |
| 2002 | 美術館の夢 松方・大原・山村コレクションなどでたどる | 兵庫県立美術館 | 2002.4.6-6.23 |
| 2003 | 九州力 世界美術としての九州展 | 熊本市現代美術館 | 2003.2.15-4.6 |
| 2005 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 2005.4.16-6.26 |
| 2008 | MOTコレクション サヴァイヴァル・アクション―新収蔵作品を中心に | 東京都現代美術館 | 2008.7.26-2008.10.5 |
| 2008-09 | MOTコレクション サヴァイヴァル・アクション―新収蔵作品を中心に | 東京都現代美術館 | 2008.10.22-2009.1.12 |
| 2010-11 | MOTコレクション クロニクル 1947-1963|アンデパンダンの時代 特集展示|ピピロッティ・リスト 特集展示|森万里子 | 東京都現代美術館 | 2010.10.29-2011.5.8 |
| 2011 | 菊畑茂久馬 戦後/絵画 | 福岡市美術館/長崎県美術館 | 2011.7.9-8.28/2011.7.16-8.31 |
| 2012-13 | 東京1955-1970 新しい前衛 | ニューヨーク近代美術館 | 2012.11.18-2013.2.25 |
| 2015-16 | MOTコレクション 第1部:戦後美術クローズアップ 第2部:フランシス・アリスと4つの部屋 アトリウム・プロジェクト 大友良英+青山泰知+伊藤隆之 《without records – mot ver. 2015》 | 東京都現代美術館 | 2015.11.7-2016.2.14 |
| 2021-22 | 集団と個の狭間で-1950年代から60年代の日本前衛美術 | ザヘンタ国立美術館 | 2021.11.25-2022.3.13 |
| 2022 | MOTコレクション コレクションを巻き戻す2nd | 東京都現代美術館 | 2022.7.16-10.16/2022.11.3-2023.2.19 |