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日記 1976年8月19日

野田 哲也

1976

版画作品に写真を使用することは、現在では広くおこなわれている。しかし、野田が1960年代後半に写真を使用した版画を発表した時は新鮮な衝撃をあたえた。当時、アメリカではウォーホルなどが、広く知られた有名人のポートレイトなどを使い、作品を制作していたが、野田の場合はあくまでも自分で撮影した日常生活のなかからの写真をもととしてシルクスクリーンと木版を使用して作品としている。日付をタイトルとして制作された作品は作家とその家族の日常生活を主題としながら構図のとりかたや版画独特の表現を加えることによって日常の記録をこえひとつの作品になっていく。個人のささやかな生活のなかから生みだされたシーンが何か懐かしく普遍性をもった画面にかわっていくのである。継続して制作された作品群は記録性をもちその時代の雰囲気をもつたえてくれる。我々も作家の家族の変貌とともに時間の経過を確認するのである。(I.K.)