1990
 
                1944年にユダヤ人として生まれたボルタンスキーは、人類がホロコースト(大量虐殺)を経験した以降の時代としての現代の作家である。ボルタンスキーの作品には、しばしば濃厚な「死」のイメージが伴う。古着を使った作品や、この作品のような《モニュメント》のシリーズに連なる、写真を用いた作品においても、そこで用いられる素材は、過ぎ去った時間を想起させる。ボルタンスキーの作品における写真は、そこに写された主体の「不在」を思わせる点において、〈ウァニタス(この世のはかなさを象徴する寓意画)〉の伝統につながっている。この作品で用いられているビスケットの缶は、フランスの家庭においてはどこにでもあるようなものであるが、積み上げられ照明を当てられて浮かび上がるのは「祭壇」のイメージである。ここで示されているのは、特定の個人の死をこえた普遍的な死についてであり、私たちの日々の生の中に内在する死についてのイメージなのである。(Y.O.)
1944-2021
| ジャンル | 彫刻・インスタレーションほか | 
|---|---|
| 材質・技法 | ビスケット缶、写真、電球、電線 | 
| 寸法 | 630点組:各23.4×21.5×12cm | 
| 受入年度 | 1991 | 
| 受入区分 | 購入 | 
| 作品/資料番号 | 1991-00-0018-000 | 
| フォトクレジット | 撮影:木奥惠三 | 
| コピーライト | © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2024 E5461 | 
| Title | Archieves of the Dead Swiss | 
|---|---|
| Genre | Sculptures,installations | 
| Material/technique | Biscuit can, photograph, light bulb, electric wire | 
| Dimensions | 630点組:各23.4×21.5×12cm | 
| Acquisition date | 1991 | 
| Accession number | 1991-00-0018-000 | 
| Photo Credit | Photo: Keizo Kioku | 
| Copyright | © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2024 E5461 |