1984
画面中央に冠をかぶり、右手に剣を持って立つ森の王がいる。彼は自らの地位を狙う者を殺そうと、森をさまよっている。物語はフレーザーの『金枝篇』(1890-1915)に基づく。この作品で驚くべきは、画面が皿で覆われていることである。皿は平面である画面に立体性を持たせ、同時にこの皿を割るアクションや割れ方の偶然性をイメージさせる。1978年、まだ無名のシュナーベルはスペインのバルセロナに旅行した。そこで出会ったガウディーの建築物のモザイクに示唆を受けた彼は、帰国後初めての「プレート・ペインティング(皿を用いた絵画)」を発表、<ニュー・ペインティング>と呼ばれる1980年代前半の絵画動向の中心人物となっていく。もちろん、彼の成功は画商メアリー・ブーンの力にもよるが、その本質には<ミニマル・アート>と<コンセプチュアル・アート>の狭間で「絵画は瀕死の状態であった」と言われる1970年代の末に、彼が物語性を持った具象、マティエールの豊かな絵画を提示したことがあろう。この「森の王」は、アート・シーンで頂点を究めた彼の孤独な自画像かもしれない。(Y.H.)
1951-
ジャンル | 絵画 |
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材質・技法 | 油彩、プレート、ボンド、ブロンズ/板 |
寸法 | 285×585cm |
受入年度 | 1992 |
受入区分 | 購入 |
作品/資料番号 | 1992-00-0037-000 |
コピーライト | © 2024 Julian Schnabel/ ARS, New York/ JASPAR, Tokyo E5461 |
Title | King of the Woods |
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Genre | Paintings |
Material/technique | Oil, plate, bond, bronze on board |
Dimensions | 285×585cm |
Acquisition date | 1992 |
Accession number | 1992-00-0037-000 |
Copyright | © 2024 Julian Schnabel/ ARS, New York/ JASPAR, Tokyo E5461 |