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Untitled -石の花-

笠原 恵実子

1991

丁度、目線のところに置かれた大理石の花はガラスのケースに覆われ、まるでしゃれた装身具店で宝石か装身具がディスプレーされているかのように見える。白く清潔なタイルの上に置かれた石の花は、何か華麗なもの、あるいはむかしからよく例えられてきたように女性と見なすことができる。しかし何故この花はガラスケースの中にしまわれなければならないのだろう、貴重品だからか。1994年の《Untitled-(in)different》で笠原は人間の胎児の段階で性器が女性と男性に分かれてゆくようすを子細に観察したものをそのまま美しい大理石の作品としている。未分化であった形態が時間をへるにつれて男性器と女性器にわかれていくさまをそれぞれ4個の形態で示したこの作品は対象にたいする厳密な観察と理解をかんじさせる。女性という自らの立場にこだわりながら作品を制作している笠原の作品は一見、優雅で美しいのだが、それを支えているのは彼女の鋭い思考と感性なのである。