1973
1956年に来日した李は日本大学文学部哲学科に学びながら、日本画の勉強をしていた。ただ、その作品は当時の前衛作品、日本画の作品のどちらにも属することのない独自のものであった。李は60年代後半から活動を始めた自然の石や木、土、工業製品の鉄、ガラス、紙などをあまり手を加えず作品とする一群の作家たち、いわゆる<もの派>と呼ばれる作家たちの運動に対して、その理論を提示し、理論面での支えを行った。人間を中心として、人間と世界が対峙する西欧近代の思考に対し、世界のありようをあるがままにうけとめ、そのことを提示するきっかけとなる作品を作成することを使命とした彼の理論は美術の範囲にとどまらないものがあった。その作品は無から生み出されるものではなく、既存の石や鉄を使用し、その物のあいだでの関係、物と場との関係、みる人との関係などを問うものであった。絵画作品においてはカンヴァスを場ととらえ、身体性(身振り)の痕跡の残る、筆勢を明らかにした、《点より》《線より》に始まり、余白の効果を大胆に生かした《照応》に至っている。西欧の哲学をもととした彼の思考には西田幾多郎の影響も見られ、日本の文化状況が大きな影響を与えているとも言える。(I.K.)
1936-
| ジャンル | 絵画 |
|---|---|
| 材質・技法 | 岩絵具/カンヴァス |
| 寸法 | 127×182cm |
| 受入年度 | 1979 |
| 受入区分 | 寄贈 |
| 作品/資料番号 | 1975-00-0557-000 |
| 寄贈者名等 | 作家寄贈 |
| Title | From Line |
|---|---|
| Genre | Paintings |
| Material/technique | Mineral pigment on canvas |
| Dimensions | 127×182cm |
| Acquisition date | 1979 |
| Accession number | 1975-00-0557-000 |
| Name of Donor etc. | Gift of the Artist |
| 開催年 | 展覧会名 | 開催場所 | 開催期間 |
|---|---|---|---|
| 1984 | 現代美術の動向III 1970年代以降の美術 その国際性と独自性 | 東京都美術館 | 1984.10.220-12.16 |
| 1992 | 色の博物誌・青 永遠なる魅力 | 目黒区美術館 | 1992.8.1-9.15 |
| 1993 | 70年代日本の前衛 抗争から内なる葛藤へ | 世田谷美術館 | 1993.3.17-3.31 |
| 1995 | 常設展 現代美術の流れ | 東京都現代美術館 | 1995.3.19-5.7/1995.5.9-7.2 |
| 2000 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 2000.2.26-5.28 |
| 2001 | 世紀の都市 | テート・モダン | 2001.2.1-4.29 |
| 2001-2005 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 2001.7.7-9.16/2002.9.14-11.24/2005.4.16-6.26 |
| 2006 | MOTコレクション 1940-80年代以降の美術 みんなのなかにいる私 | 東京都現代美術館 | 2006.10.14-12.24 |
| 2015 | MOTコレクション 戦後美術クローズアップ | 東京都現代美術館 | 2015.7.18-10.12 |
| 2022-23 | 李禹煥 | 国立新美術館/兵庫県立美術館 | 2022.8.10-11.7/2022.12.13-2023.2.12 |
| 2025 | 開館30周年記念 MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025 | 東京都現代美術館 | 2025.4.29-7.21/8.2-11.24 |