1962
1962年は磯辺にとってとりわけ充実した一年だった。読売アンデパンダン展や東京国際版画ビエンナーレ展への出品、国際的な舞台での活動の開始――「繰り返しの構造」(パリ、ギャルリ・スタドラー画廊)、「構造と様式」(トリノ市美術館)――、そして年末には初の個展開催と続く。この年彼が多数手掛けたのは、ワッペン型のダンボールが板上に並ぶ作品である。ラベルとも紋章とも解される日常的な事物の集積の構造は、芸大で同級の工藤哲巳、中西夏之等による60年代前半の〈反芸術〉と呼ばれた作品に共通するものだ。「いかなる構造にも存在する反復する単位」そして「スケールの転換と組み合わせ」に興味を持っていた彼の活動はやがて、箪笥を用いた大型の立体作品や壁画等の建築装飾へと広がる。65年に渡米、建築と環境プランニングを学び、科学と芸術の理想的な融合を目指すことになる磯辺の関心は、反復するワッペンを出発点として大きく羽ばたいていくのである。なお、本作は1962年から83年まで上記の海外二都市での展覧会企画者、ミシェル・タピエの手元にあった。(N.S.)
1935-
ジャンル | 絵画 |
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材質・技法 | 油彩、大理石粉、紙/木 |
寸法 | 182×127.5cm |
受入年度 | 1983 |
受入区分 | 購入 |
作品/資料番号 | 1975-00-0086-000 |
Title | WORK '62-13 |
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Genre | Paintings |
Material/technique | Oil, marble powder, paper on wood |
Dimensions | 182×127.5cm |
Acquisition date | 1983 |
Accession number | 1975-00-0086-000 |