1955
重苦しく不吉な鉛色の空の下、丸々とした巨大な爆撃機の影が遠景にうずくまっている。パノラミックな横長の画面のほとんどを占める人物群像。その中央最前面では、ロボットのように鈍重で無表情な警官隊が、必死の形相をした農民たちを排除しようとしている。踏みにじられた地図。カリカチュア的な人物表現と歪んだ空間表現には、誇張が顕著である。だがそれだけに、非人間的な権力と名もなき民衆との対決をヒロイックに描きだそうとした作者の意図は、手に取るようにはっきりとわかる。東京都下の砂川町で起こっていた立川基地拡張反対運動は、1955年9月、ついに組合や学生を加えた反対派の町民と警官隊との衝突事件にまで発展した。この「砂川事件」に取材した本作は、社会批判を前面に押し出した1950年代の〈ルポルタージュ絵画〉の代表作である。それは、単なる写実ではなく、シュルレアリスムに基づく前衛的な手法こそが絵画に深い社会性を与えることができるとした、一つの芸術運動であった。だが、60年安保の挫折とともに画家たちは、土俗的なポップ=シュルレアリスムなど、より間接的な表現によって、繁栄を謳歌する社会に対する問い掛けを行うようになっていった。(Y.M.)
1932-2026
| ジャンル | 絵画 |
|---|---|
| 材質・技法 | 油彩/合板 |
| 寸法 | 92.5×183cm |
| 受入年度 | 1981 |
| 受入区分 | 購入 |
| 作品/資料番号 | 1975-00-0354-000 |
| Title | 5th Sunagawa |
|---|---|
| Genre | Paintings |
| Material/technique | Oil on plywood |
| Dimensions | 92.5×183cm |
| Acquisition date | 1981 |
| Accession number | 1975-00-0354-000 |
| 開催年 | 展覧会名 | 開催場所 | 開催期間 |
|---|---|---|---|
| 1995-96 | 常設展 現代美術の流れ | 東京都現代美術館 | 1995.3.19-5.7/1995.5.9-7.2/1995.7.8-8.27/1995.8.29-10.22/1995.10.28-1996.1.21/1996.1.23-3.3/1996.3.16-5.12 |
| 1996-1998 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 1996.5.14-9.1/1996.9.14-11.24/1996.11.26-1997.2.16/1997.3.1-4.6/1997.4.8-6.29/1997.7.12-10.26/1997.10.28-1998.2.15/1997.10.28-1998.2.15/1998.2.28-5.17 |
| 1999-2005 | 常設展 日本の美術、世界の美術一この50年の歩み | 東京都現代美術館 | 1999.6.26-9.12/1999.9.14-11.28/1990.11.30-2000.2.13/2001.3.10-6.24/2002.3.2-6.2/2002.9.14-11.24/2003.4.1-6.1/2003.6.3-9.7/2003.9.27-12.21/2004.9.28-12.12/2005.1.25-3.27 |
| 2007 | 中村宏 図画事件1953-2007 | 東京都現代美術館/名古屋市美術館 | 2007.1.20-4.1/ 2007.7.21-9.17 |
| 2009 | Korean Deaspora Artists | 韓国国立現代美術館 | 2009.7.17-9.27 |
| 2009-10 | MOTコレクション第3期/第4期 クロニクル 1945, 1951, 1957 「アメリカの絵画」1950s・1960s 特集展示 岡崎乾二郎 | 東京都現代美術館 | 2009.10.31-4.11 |
| 2010-11 | 池田龍雄 アヴァンギャルドの軌跡 | 山梨県立美術館/川崎市岡本太郎美術館/福岡県立美術館 | 2010.6.19-7.19/2010.10.9-2011.1.10/2011.1.29-3.13 |
| 2010-11 | MOTコレクション第3期/第4期 クロニクル 1947-1963|アンデパンダンの時代 特集展示|ピピロッティ・リスト 特集展示|森万里子 | 東京都現代美術館 | 2010.10.29-2011.5.8 |
| 2012-2013 | 美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年 | 東京国立近代美術館 | 2012.10.16-2013.1.14 |
| 2013 | MOT コレクション 第1部:私たちの90年 1923-2013 第2部:残像から | 東京都現代美術館 | 2013.4.16-6.9 |
| 2013 | MOT コレクション 第1部:私たちの90年 1923-2013 第2部:ぼくからきみへーちかくてとおいたびー | 東京都現代美術館 | 2013.6.29-9.8 |
| 2015 | MOTコレクション 開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 第3弾 コレクション・ビカミング | 東京都現代美術館 | 2015.1.24-6.28 |
| 2015-16 | MOTコレクション 第1部:戦後美術クローズアップ 第2部:フランシス・アリスと4つの部屋 アトリウム・プロジェクト 大友良英+青山泰知+伊藤隆之 《without records – mot ver. 2015》 | 東京都現代美術館 | 2015.11.7-2016.2.14 |
| 2016 | エッケ・ホモ 現代の人間像を見よ | 国立国際美術館 | 2016.1.16-3.21 |
| 2016 | コンテンポラリーの出現 日本の美術 1955-1975 | パソ・インペリアル美術館 | 2016.7.14-8.28 |
| 2019 | 東京都現代美術館リニューアル・オープン展企画展百年の編み手たちー流動する日本の近現代美術 | 東京都現代美術館 | 2019.3.29-6.16 |
| 2019-20 | MOTコレクション いま―かつて 複数のパースペクティブ | 東京都現代美術館 | 2019.11.16-2020.2.16 |
| 2021 | ヒコーキと美術 arts in the age of the airplane | 横須賀美術館 | 2021.2.6-4.11 |
| 2023 | 小磯良平生誕120 年記念 特別展「働く人びと」 | 神戸市立小磯記念美術館 | 2023.10.7-12.17 |
| 2024 | MOTコレクション 歩く、赴く、移動する―1923→2020/Eye to Eye—見ること | 東京都現代美術館 | 2024.4.6-7.7 |
| 2025 | 開館30周年記念 MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025 | 東京都現代美術館 | 2025.4.29- 7.21/8.2-11.24 |
| 2026 | 中村宏展 アナクロニズム(時代錯誤)のその先へ | 静岡県立美術館 | 2026.1.20-3.15 |