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240 個の石膏の代用物

アラン・マッカラム

1982-89

額に入った小さな絵画「のようなもの」が240個、壁面に並んでいる。絵画「のような」物体は、実際は一つ一つが石膏の型抜きによって作られた立方物であり、よく観察すれば寸法を8種類ほど見分けることができる。この物体の縁と「画面」にあたる部分には、光沢のあるエナメル・ペイントが貼られているため、疑似絵画的な印象が生じている。それゆえ240個の物体を壁面に並べたインスタレーションは、大小の「絵画」が壁を埋める光景を模造しているとみることができる。それは、古典的な美術館や大収集家の邸宅の壁面を連想させるが、量の多さと黒い「画面」によって、グロテスクに変容させられている。そして同時に、大量生産と資本の論理が顕在化する。アイロニーに満ちたタイトルが語るとおり、それはまさに、我々の時代、我々の文化における芸術品の「代用物」なのである。こうして我々は、様々な形で芸術を取り囲み、芸術を条件付けている特有の文化や制度の存在に、否応なく気づかされてしまうことになる。マッカラムは、1982年に始まる「石膏の代用物」連作のほか、やはり石膏で型抜きした壺形の物体を並べた連作「完全な運搬具」などにより、1980年代後半からのシミュレーション/アプロプリエーションの芸術を代表する作家として高い評価を受けている。 (Y.M.)

作家プロフィール

アラン・マッカラム Allan McCOLLUM

1944-

作品情報

ジャンル彫刻・インスタレーションほか
材質・技法エナメル/石膏
寸法インスタレーションサイズ可変
受入年度1992
受入区分購入
作品/資料番号1992-00-0041-000
フォトクレジット撮影:椎木静寧
Title240 Plaster Surrogates
GenreSculptures,installations
Material/techniqueEnamel paint on hydrocal plaster
Dimensionsインスタレーションサイズ可変
Acquisition date1992
Accession number1992-00-0041-000
Photo CreditPhoto: Shizune Shiigi